不動産売却の契約不適合責任とは?正しく理解してトラブルを回避しよう!

不動産売却の契約不適合責任とは?正しく理解してトラブルを回避しよう!

この記事のハイライト
●契約不適合責任とは、引き渡す物件が契約内容と異なる場合に売り手が負う責任のこと
●法改正で買い手が要求できる権利が増え、責任の所在も明確になった
●契約不適合責任におけるトラブルを防ぐためには、契約書の内容に注意しよう

不動産売却の際に売り手が負う「契約不適合責任」とはなにか、ご存じでしょうか。
大きな金額が動く不動産売却では大切なポイントとなるため、しっかりと理解しておくと安心です。
そこで今回は、不動産売却における契約不適合責任の概要や瑕疵担保責任との違い、注意点についてご紹介します。
港区を中心とした大正区、此花区、西淀川区、西区、南港といった大阪ベイエリアで不動産売却を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

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不動産売却で注意したい契約不適合責任とは?

不動産売却で注意したい契約不適合責任とは?

まずは、契約不適合責任とはどのようなものなのか、概要について見ていきましょう。

契約不適合責任とは

引き渡す物件に欠陥があった場合、買い手に対して売り手が負う責任のことを指します。
つまり、契約内容と相違のある物件を売却すると、売り手は引き渡し後でも買い手の訴えに対してなんらかの対応をしなければなりません。
適切に対応できなかった場合は買い手とトラブルになり、取引自体が無効になってしまう可能性もあるため、注意が必要です。
なお、契約内容とは、売買契約書に記載された不動産の状態や条件のことです。
たとえば、売却予定の物件に雨漏りする箇所があった場合を考えてみましょう。
この事実を買い手に伝え、契約前に了承を得ていれば、責任を回避することが可能です。
しかし、契約書に雨漏りの事実を記載しておらず、買い手に伝え忘れたり、隠してしまったりすると、責任を問われる可能性が高くなります。
土地の場合は、土壌汚染や地中埋設物などが物件の欠陥と捉えられます。
このように、物件の状態や条件については内容を明確に記載しておくことが大切です。
契約書に明記し、しっかりと証拠を残しておけば、買い手とトラブルになるのを防ぐことができます。
お互いに気持ちよく取引するためにも、売却に際して伝えておくべきことがもれのないようにしましょう。

買い手が請求できる5つの権利

それでは、契約不適合責任が問われた場合、売り手は買い手に対してどのように対応しなければならないのでしょうか。
買い手が請求できる権利について具体的にご紹介します。
追完請求
契約内容と一致した完全な状態の物件の引き渡しを請求する権利です。
先ほどの例で挙げたように、雨漏りの箇所を契約書に記載していなかった場合は、それを売り手が補修します。
代金減額請求
売買価格の減額を請求する権利です。
ただし、代金減額請求は基本的に売り手が追完請求に応じなかった場合にのみ請求することが可能です。
なお、なんらかの事情で売り手が補修をおこなえなかった場合や指摘の箇所が明らかに補修できない場合などにも、この権利は認められます。
催告解除
追完請求をしたのに売り手が応じなかった場合に、買い手が催告してから契約を解除する権利です。
通常であれば契約の解除には違約金が発生しますが、催告解除では契約そのものが無効となるため、売り手は無条件で代金の全額を買い手へ返還しなければなりません。
無催告解除
追完請求をしたのに売り手が応じなかった場合に、買い手から催告せずに、すぐに契約を解除する権利です。
損害賠償
売り手に原因がある損害が発生した場合に、買い手が損害賠償を請求できる権利です。
損害賠償以外の上記の4つは、売り手に原因がなくても買い手に請求できる権利であることを覚えておきましょう。
なお、買い手が請求できる5つの権利には「欠陥を知ったときから1年以内」という期限があります。
しかし、売り手が故意に欠陥を隠していた場合や過失により見過ごしていた場合は、この期限は無効です。
また、買い手が権利を行使できると知ったときから5年以内、権利を行使できるときから10年以内に請求しなかった場合、買い手の権利は消滅します。
ただし、契約不適合責任は任意規定のため、売り手と買い手が合意していれば責任を負う期間を自由に設定することも可能です。

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不動産売却における契約不適合責任と瑕疵担保責任の違い

不動産売却における契約不適合責任と瑕疵担保責任の違い

続いて、不動産売却における契約不適合責任と瑕疵担保責任の違いについてご紹介します。
瑕疵担保責任とは、2020年4月の民法改正前に売り手が負っていた責任のことで、売却した物件に瑕疵(キズや欠陥)のある場合が対象でした。
通常、有すべき品質を欠くことが瑕疵の定義とされていましたが、意味が曖昧で、日本特有の理念だという認識から、よりわかりやすい規定へと変更されました。
こうして新たに定められたのが、契約不適合責任というわけです。
それでは、具体的な違いについて見ていきましょう。
違い①買い手の権利
先ほどお伝えしたとおり、現在、買い手が請求できる権利は追完請求・代金減額請求・損害賠償・催告解除・無催告解除の5つです。
一方、瑕疵担保責任では、契約解除・損害賠償に限られていました。
違い②買い手の権利の行使期間
法改正前は、瑕疵を知ってから1年以内に請求しなければなりませんでした。
しかし、法改正後は、契約不適合を知ってから1年以内に「通知」すれば良いことになっています。
違い③責任の対象
法改正前は隠れた瑕疵が責任の対象でしたが、法改正後は契約内容との不一致が責任の対象に変更されました。
違い④損害賠償の責任
法改正前は売り手に原因がなくても損害賠償の責任を負うことになっていました。
しかし、法改正後は売り手に原因がある場合のみ損害賠償の責任を負うことに変更されています。
違い⑤損害の範囲
損害賠償における損害の範囲は、法改正前は信頼利益でしたが、法改正後は信頼利益を含む履行利益となりました。
信頼利益とは無効になった契約を、有効だと信頼したために損なわれた利益のことです。
また、履行利益とは契約が約定どおりに履行されていれば得られたはずの利益のことになります。

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不動産売却での契約不適合責任に関する注意点とは

不動産売却での契約不適合責任に関する注意点とは

最後に、不動産売却での契約不適合責任に関する4つの注意点についてご紹介します。
引き渡し後に責任を問われることのないようしっかりと把握しておきましょう。
注意点①契約書に通知期間を記載する
買い手の契約不適合責任の通知期間を設定し、売買契約書に記載しておきます。
通知期間を設定しなければ、前の章でお伝えしたとおり10年間は契約不適合責任を負うことになるため、注意してください。
注意点②免責事項をチェックする
契約不適合責任では、免責事項について細かく契約書に記載しなければなりません。
そのため、雨漏りの箇所がある、シロアリによる腐食部分があるなど、免責したい項目をチェックして洗い出しておきます。
築古物件の場合は、免責の対象にできるケースが多いでしょう。
注意点③付帯設備表をしっかりと作成する
中古物件の場合、設備には欠陥があることが一般的なため、契約書の特約に記載して免責にしておきましょう。
あわせて付帯設備表を作成し、設備の欠陥についてしっかり記載して告知することも求められます。
注意点④インスペクションをおこなう
インスペクションとは、建物の状態を器具や目視などにより専門家に調べてもらうことです。
不動産売却前におこなうと建物の状態がよくわかるため、契約書の作成にも役立ちます。
また、事前に欠陥のある箇所を把握できるため、安心して取引できることもメリットです。

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まとめ

今回は、不動産売却における契約不適合責任の概要や瑕疵担保責任との違い、注意点についてご紹介しました。
売却後のトラブルを防ぐためには、物件の情報を契約書にきちんと明記することが大切です。
大阪市不動産売却.comでは、お客様に寄り添い、不動産売却における契約書作成などの事務手続きもしっかりとサポートいたします。
港区を中心とした大正区、此花区、西淀川区、西区、南港といった大阪ベイエリアで不動産売却を検討中の方は、お気軽にご相談ください。

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加藤良一

部署:売却コンサルタント

資格:宅地建物取引士、不動産仲介士

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