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不動産コラム-column

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2014.09.30 【例】居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除

年間所得が400万円、譲渡損失が1,500万円の場合

譲渡年    1年目    2年目    3年目

年間所得   400万円   400万円   400万円  400万円

譲渡損失  ▲1500万円  ▲1100万円  ▲700万円 ▲300万円

差引所得  ▲1100万円  ▲700万円  ▲300万円  100万円

 

◆売却した年の税金(損益通算)

・給与所得より大きな譲渡損失があるのでその年に源泉徴収された所得税は確定申告により全額還付されます。

・住民税は前年の所得に基づき翌年に課税されます。損益通算により翌年の住民税は所得税同様ゼロとなります。

◆2年目以降の税金(譲渡損失の繰越控除)

売却した年の譲渡損失で引ききれなかった1,100万円(1,500万円-400万円)は翌年以降3年間その年の給与所得から順次控除されます。本ケースでは3年間にわたり控除されます。住民税は1年遅れで控除されます。

5年目は繰越控除が適用できなくなりますが、買い換えた物件の住宅ローン控除がこの年から適用できるようになります。

 

2014.09.28 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除

① 制度の概要

 次の②の要件を満たす居住用財産を譲渡して損失が発生した場合で、③の要件を満たす居住用財産に買い換えた時は、その譲渡損失の金額を他の所得と損益通算、繰越控除することができます。

 

② 譲渡した住宅の要件

 譲渡した住宅は次の要件を満たすものでなければなりません。

イ.譲渡した年の 1 月 1 日において所有期間が 5 年を超える居住用財産であること

ロ.敷地のうち(マンションは持分の面積で)500㎡を超える部分は対象になりません

 

③ 買い換える住宅の要件

 買い換える住宅は次の要件を満たすものでなければなりません。

イ.譲渡年の前年、譲渡年または譲渡年の翌年に取得すること

ロ.繰越控除を受ける年の年末に、その買換資産の取得に係る償還期間 10 年以上の借入金残高があること(対象となる住宅借入金は「居住用財産を譲渡した場合の譲渡損失の繰越控除」と同じです)

ハ.住宅の床面積(マンションの場合は登記された専有部分の面積)が 50㎡以上であること

 

④ その他の要件

イ.繰越控除を受ける年の合計所得金額が 3,000 万円以下であること

ロ.譲渡した年の前年以前 3 年内の年において、他の居住用財産の譲渡損失の金額について損益通算の特例の適用を受けていないこと

 

⑤ 住宅借入金等特別控除との重複適用

 居住用財産の買換え特例等の場合の譲渡損失の繰越控除とその買換資産の取得に係る住宅借入金等特別控除とは、重複して適用を受けることができます。

 

2014.09.26 マイホームを譲渡した場合の譲渡損失の繰越控除

① 制度の概要

 次の②の要件を満たす居住用財産を譲渡して損失が発生した場合で、その居住用財産の借入金残高が譲渡価額を超えるときは、③の譲渡損失の金額を他の所得と損益通算、繰越控除することができます。

 

② 譲渡資産等の要件 

イ.平成 27 年 12 月 31 日までの譲渡であること

ロ.譲渡した年の 1 月 1 日において所有期間が 5 年を超える居住用財産であること

ハ.譲渡契約の前日に譲渡資産に係る償還期間が 10 年以上の借入金残高を有すること

二.繰越控除を受ける年の合計所得金額が 3,000 万円以下であること

ホ.譲渡した年の前年以前 3 年内の年において、他の居住用財産の譲渡損失の金額について損益通算の特例の適用を受けていないこと

 

③ 居住用財産の譲渡損失の金額

イ、ロのいずれか少ないほうの金額が、この特例の対象となる譲渡損失の金額となります。

イ.住宅借入金等の残高  -  譲渡価額

譲渡損失の金額と譲渡価額の合計が住宅借入金等の残高を上回る場合

例)取得費2,500万円 売却価格2,000万円 売却時の借入残高3,000万円

3,000万円-2,000万円=1,000万円・・・売却後の残債

2,000万円-2,500万円=▲500万円・・・譲渡損失

1,000万円>500万円→500万円分の適用

 

ロ.居住用財産の譲渡損失の金額

譲渡損失の金額と譲渡価額の合計が住宅借入金等の残高を下回る場合

例)取得費2,500万円 売却価格2,000万円 売却時の借入残高2,100万円

2,100万円-2,000万円=100万円・・・売却後の残債

2,000万円-2,500万円=▲500万円・・・譲渡損失

100万円>500万円→100万円分の適用

 

2014.09.23 3,000万円特別控除と居住用財産の買換え特例の比較

3,000万円特別控除と居住用財産の買換え特例の比較をしてみます。

例)親からの相続により取得した自宅(取得費不明、10年超所有)を5,000万円で譲渡しました。譲渡費用は300万円でした。
「3,000万円特別控除」+「10年超所有軽減税率の特例」の適用要件を満たしている場合の税金を計算します。

 

譲渡所得  5,000万円-(5,000万円×5%+300万円)=4,450万円

 

課税譲渡所得 4,450万円-3,000万円=1,450万円

 

「10年超所有軽減税率の特例」適用後の税額 所得税 1,450万円×10.21%=148万円

                       住民税 1,450万円×   4%=  58万円

                       合 計             206万円

 

上記と同じ条件で譲渡をし、4,000万円の不動産(取得費用を含む)に買換えた場合、特定居住用財産の買換え特例の適用を受ける場合の税金を計算します。

「譲渡代金>買換え代金」の場合には、その差額について長期譲渡所得の税率で課税されます。

 

譲渡収入金額 5,000万円-4,000万円=1,000万円

 

取得費・譲渡費用 (5,000万円×5%+300万円)×4,000万円/5,000万円=440万円

 

譲渡所得 1,000万円-440万円=560万円

 

税額 所得税 560万円×15.315%=85.7万円

   住民税 560万円×   5%=   28万円

   合 計            113.7万円

 

2014.09.21 特定の居住用財産の買換え特例

① 特例の概要

 要件を満たす「譲渡資産」を譲渡し、「買換資産」を取得した場合に、譲渡所得の全部もしくは一部について課税の繰延べが受けられます。

 

② 譲渡資産の要件

イ.国内にある現に自己の居住の用に供している家屋やその敷地で、譲渡の年の1 月 1 日において、所有期間が 10 年を超えるものであること

ロ.譲渡者の居住の用に供されている期間が 10 年以上の居住用財産であること

 譲渡した居住用家屋の存する場所に譲渡者が居住していなかった期間がある場合には、居住していなかった期間を除き、その前後の居住していた期間を合計します。

ハ.譲渡対価の額が 1 億円以下であること

 

③ 買換資産の要件

イ.居住部分の登記簿上の床面積が 50㎡以上である個人の居住の用に供する家屋またはその家屋の敷地の用に供する土地等で、国内にあるもの

 建築後使用されたことのある耐火建築物の場合には、原則として、その取得の日以前 25 年以内に建築されたものに限ります(地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準またはこれに準ずるものに適合する一定の耐火建築物、土地等については、その面積が 500㎡以下でなければなりません。

ロ.譲渡の年の前年 1 月 1 日から譲渡の年の 12 月 31 日までに取得したものまたは譲渡の年の翌年中に取得する見込みであること

 譲渡の年の翌年中に取得する見込みであることについては、買換資産の取得予定年月日および取得価額の見積額に関する明細書を添付しなければなりません。

ハ.取得後一定の期限までに自己の居住の用に供すること

 買換資産の取得の日から譲渡資産の譲渡の日の属する年の翌年 12 月 31 日(譲渡の翌年中に買換資産を取得する場合には、その取得の日の属する年の翌年 12 月 31 日)までにその買換資産を居住の用に供さなければなりません。

 

④ 特例の適用が受けられない場合

 ②の要件を満たす場合であっても、次のいずれかに該当する場合は、この特例の適用は受けられません。

イ.譲受人が特殊関係者である場合

 3,000 万円特別控除の特例の場合と同じです。

ロ.前年または前々年の譲渡所得について、この特例の適用を受けた場合

ハ.居住用財産の買換え・交換、収用等についての特例制度の適用を受ける場合

 

⑤ 課税の概要

 居住用財産の譲渡による長期譲渡所得に対する課税がそれぞれ、次のように繰り延べられます。

イ.譲渡資産の譲渡による収入金額が買換資産の取得価額以下である場合にはその譲渡はなかったものとされ、その段階では課税されません。

譲渡資産の売却代金≦買換資産の購入代金

⇒課税なし

 

ロ.譲渡資産の譲渡による収入金額が買換資産の取得価額を上回る場合には、譲渡資産の収入金額のうち、買換資産の取得に充てられた部分の譲渡がなかったものとされ、それ以外の部分(譲渡代金が残った部分)についてだけ譲渡があったものとして課税されます。

譲渡資産の売却代金>買換資産の購入代金

⇒売却代金と購入代金の差額に対応する譲渡所得金額に対してのみ、所得税・住民税が課税されます。

譲渡資産の売却代金=A 買換資産の購入代金=B

 

(A-B)-{(譲渡資産の取得費+譲渡費用)×(A-B)/A}=今回課税対象額

 

注意)譲渡益への課税が免除されるわけではなく、将来に課税が繰り延べられる措置です。

2014.09.19 軽減税率の適用

① 特例の概要

 個人が、その年の 1 月 1 日において所有期間が 10 年を超える土地等または建物等のうち、居住用財産に該当するものを譲渡した場合には、その居住用財産の譲渡による長期譲渡所得の金額については、他の所得とは分離して所得税および住民税が課税されます。

 軽減税率の特例と 3,000 万円特別控除の特例とは、重複して適用を受けることができ、軽減税率の適用を受ける場合は、通常、3,000 万円特別控除の特例も適用されますので、下表の課税長期譲渡所得金額は 3,000 万円控除後の金額となります。

 また、3,000 万円特別控除の特例と居住用財産の買換えの特例、および軽減税率の特例と居住用財産の買換えの特例とは、重複して適用を受けることはできません。

課税長期譲渡所得金額 ※所得税率  住民税率

6,000 万円以下の部分   10.21%    4%

6,000 万円を超える部分  15.315%   5%

※復興特別所得税を含みます。

 

② 特例の適用が受けられる場合

 この特例は、譲渡した年の 1 月 1 日において所有期間が 10 年を超える、次に掲げる家屋または土地等の譲渡について適用されます。

イ.個人が現にその居住の用に供している家屋(以下「居住用家屋」といいます)を譲渡した場合 

居住用家屋の具体的判定については、3,000 万円の特別控除における取扱いと同様です。

ロ.居住用家屋と共にその敷地となっている土地または借地権を譲渡した場合

 居住用家屋の敷地の一部の譲渡等、具体的取扱いについては 3,000 万円の特別控除における取扱いと同様です。

ハ.自己の居住の用に供さなくなった家屋もしくはそれと共にその敷地となっていた土地または借地権を、これらの家屋を自己の居住の用に供さなくなった日から 3 年を経過する日の属する年の12 月 31 日までに譲渡した場合

ニ.居住用家屋(住まなくなってから 3 年以内の家屋を含む)を取り壊した場合で、引き続き所有していたとしたならその年の 1 月 1 日における所有期間が 10 年を超える家屋の敷地で、一定の要件に該当するものを譲渡した場合

 

③ 特例の適用が受けられない場合

 上記②の要件を満たす場合であっても、次のいずれかに該当する場合は、この特例の適用は受けられません。

イ.譲受人が特殊関係者である場合

 3,000 万円特別控除の特例の場合と同じです。

ロ.前年または前々年の譲渡所得について、この特例または居住用不動産の買換え特例の適用を受けた場合

ハ.居住用財産の買換え・交換、収用等についての特例制度の適用を受ける場合 

 

④ 課税される所得税等の税額の計算方法

 この軽減税率の特例の適用を受ける長期保有に係る居住用財産の長期譲渡所得については、他の土地建物等の譲渡所得と区分したうえで、その長期保有に係る居住用財産の長期譲渡所得に課税される所得税等の税額を計算することとなります。

 

イ.長期保有に係る居住用財産の課税長期譲渡所得金額が 6,000 万円以下である場合

  長期保有に係る居住用財産の課税長期譲渡所得 × 税率 = 税額

  

ロ.長期保有に係る居住用財産の課税長期譲渡所得金額が 6,000 万円を超える場合

  (長期保有に係る居住用財産の課税長期譲渡所得 - 6,000 万円)× 税率 +  612.6 万円(住民税 240 万円)= 税額

 

2014.09.16 3,000万円特別控除の特例

自分が住んでいる戸建・マンションなど不動産を譲渡(売却)した場合には、その譲渡所得から 3,000 万円を控除することができます。

①特例の適用が受けられる場合

 3,000 万円の特別控除が適用されるのは次の場合です。

イ.個人が現にその居住の用に供している家屋(以下「居住用家屋」といいます)を譲渡した場合

 居住用家屋を 2 以上有する場合は、主として居住の用に供している一の家屋のみがこの特例の適用対象となります。

ロ.居住用家屋と共にその敷地となっている土地または借地権を譲渡した場合

 この規定は土地等の所有者が家屋の所有者と同一であることを前提としていますので、家屋と土地の所有者が異なる場合は原則としてこの特例の適用を受けることはできません。

 ただし、家屋の所有者と土地の所有者とが夫婦である場合などは、一定の要件を満たす場合には、土地の所有者である者についても、この特例の適用が認められることとされています。

ハ.自己の居住の用に供さなくなった家屋もしくはそれと共にその敷地となっていた土地または借地権を、これらの家屋を自己の居住の用に供さなくなった日から 3 年を経過する日の属する年の12 月 31 日までに譲渡した場合

二.居住用家屋(住まなくなってから 3 年以内の家屋を含む)を取り壊した場合のその敷地で、次の要件に該当するものを譲渡した場合

・敷地の譲渡に関する契約がその家屋を取り壊した日から 1 年以内に締結されていること

・ その家屋を取り壊した後譲渡に関する契約を締結した日まで、その敷地を貸付けその他の用に供していないこと

② 特例の適用が受けられない場合

 前記①の要件を満たす場合であっても、次のいずれかに該当する場合は、この特例の適用は受けられません。

イ.譲受人が次の者等特殊関係者である場合

・譲渡者の配偶者および直系血族

・譲渡者と生計を一にする親族およびその居住用家屋に同居する親族

・譲渡者と内縁関係にある者、その者と生計を一にしている親族

・譲渡者から受け取る金銭等により生計を維持している者(使用人を除く)およびその者と生計を一にしている親族

・譲渡者と特殊関係にある会社その他の法人

ロ.前年または前々年の譲渡所得について、この特例または居住用不動産の買換え特例の適用を受けた場合

ハ.居住用財産の買換え・交換、収用等についての特例制度の適用を受ける場合

③ 居住用家屋と認められない場合

 次のような家屋は、居住用家屋には該当しません。

a  この特例の適用を受けるためのみの目的で入居したと認められる家屋

b  家屋の新築期間中だけの仮住まいである家屋その他一時的な目的で入居したと認められる家屋

(譲渡した家屋における居住期間が短期間であっても、その家屋への入居目的が一時的なものでない場合には、居住用家屋として認められます)

c  主として、趣味、娯楽または保養の用に供する目的で有する家屋(別荘など)

④ 特別控除の額

 この特例による控除額は次の金額のうちいずれか小さい金額です。

イ.その居住用不動産に係る譲渡所得の金額

ロ.3,000 万円

⑤ 譲渡所得の金額の計算

 譲渡所得の金額は、次の算式によって計算します。

  収入金額-(取得費 + 譲渡費用)= 長期(短期)譲渡所得の金額

  長期(短期)譲渡所得の金額-特別控除額(3,000 万円)= 課税長期(短期)譲渡所得金額

 (この特別控除額を差し引いた結果、譲渡所得の金額がなくなる場合であっても、この特例の適用を受けるためには、必ず確定申告書を提出しなければなりません。) 

 

2014.09.14 居住用財産の譲渡

居住用不動産を譲渡した場合には、まずその譲渡で利益が発生しているか、損失が発生しているかを確認する必要があります。

 利益が発生している場合の課税の特例には、その譲渡益から 3,000 万円を控除するという特別控除制度(3,000万円特別控除制度)、その特別控除後の譲渡益に軽減税率による課税を行う制度(軽減税率制度)、譲渡代金をもって新たに居住用不動産を取得した場合の買換え制度(特定の居住用不動産の買換え特例制度)があります。

 損失が発生している場合の課税の特例には、その譲渡損失をその年の他の所得と通算し、通算しきれない金額を最長 3 年間繰越控除することができる制度(特定の居住用財産の譲渡損失の繰越控除制度、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除制度)があります。

 

2014.09.11 不動産を売却した時~譲渡所得その2

土地や建物を売ったときの譲渡所得は、次のとおり所有期間によって長期譲渡所得と短期譲渡所得の二つに区分し、税金の計算も別々に行います。

長期譲渡所得とは譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるものをいいます。

短期譲渡所得とは譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下のものをいいます。

 

(注) 「所有期間」とは、土地や建物の取得の日から引き続き所有していた期間をいいます。この場合、相続や贈与により取得したものは、原則として、被相続人や贈与者の取得した日から計算することになっています。

 

◆長期譲渡所得税額

税額=課税長期譲渡所得金額×15%(住民税5%)

◆短期譲渡所得税額

税額=課税短期譲渡所得金額×30%(住民税9%)

 

(注)さらに、平成25年から平成49年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付することになります。

譲渡所得税額が100万円だとすると、100万円×2.1%=2.1万円←復興特別所得税

 

2014.09.09 不動産を売却した時~譲渡所得その1

土地や建物を売ったときの譲渡所得に対する税金は、事業所得や給与所得などの所得と分離(分離課税)して、計算することになっています。

つまり、譲渡所得が赤字となったとしても、他の黒字の所得と損益通算することができない、ということになります。

譲渡所得は、土地や建物を売った金額から①取得費、②譲渡費用を差し引いて計算します。

①取得費とは、売った土地や建物を買い入れたときの購入代金や、購入手数料などの資産の取得に要した金額に、その後支出した改良費、設備費を加えた合計額をいいます。
 なお、建物の取得費は、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。

減価償却費相当額は、その建物が事業に使われていた場合とそれ以外の場合では異なっており、それぞれ次に掲げる額となります。

1 事業に使われていた場合
 建物を取得してから売るまでの毎年の減価償却費の合計額になります。
 (注)仮に毎年の減価償却費の額を必要経費としていない部分があったとしても、毎年の減価償却費の合計額とすることに変わりはありません。

2 事業に使われていなかった場合
 建物の耐用年数の1.5倍の年数に対応する旧定額法の償却率で求めた1年当たりの減価償却費相当額にその建物を取得してから売るまでの経過年数を乗じて計算します。

また、土地や建物の取得費が分からない場合や、実際の取得費が譲渡価額の5%よりも少ないときは、譲渡価額の5%を取得費(概算取得費)とすることができます。

 

②譲渡費用とは、土地や建物を売るために支出した費用をいい、仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、売却するときに借家人などに支払った立退料、建物を取り壊して土地を売るときの取壊し費用などです。

 

譲渡所得の計算では、やはり取得費の計算方法がなかなか分かり難いところです。例で示してみます。

自宅マンションの売却 購入価格3,000万円(建物2,000万円 土地1,000万円)

→10年後売却 譲渡価格2,000万円 譲渡費用 100万円

 

分譲マンションの場合、購入価格に建物部分と土地部分に分かれております。今回の場合、購入時建物価格を2,000万円とします。

取得費の計算ですが、マンションを鉄筋コンクリート造としますと、耐用年数は47年、自宅なので、これを1.5倍すると70.5年→70年となります。耐用年数70年の償却率は0.015で10年間所有しているので償却費は、

 

2,000万円 × 0.9 × 0.015 × 10 =270万円 となります。(旧定額法)

 

ゆえに譲渡所得の計算は、

 

2,000万円-(3,000万円-270万円)-100万円=-830万円

 

譲渡所得は、-830万円となります。

 

もし、取得費が不明な場合は、譲渡金額の5%が取得費とみなされ、

 

2,000万円-(2,000万円×5%)-100万円=1,800万円

 

譲渡所得は、1,800万円となります。

  

2014.09.05 海外から見た賃貸住宅価格

  

昨年来の大胆な金融緩和により金利の低下や過度な円高が修正されたことから、海外の投資家が日本の不動産に目を向けるようになっている。特に円安の効果は大きく、ドルべースに置き換えた近畿圏の中古マンション㎡単価を試算してみると、13 年上期以降、大阪市や京都市を中心に上昇していた成約単価はドルべースでは大幅に下落しており、円べースで捉えた価格とは対照的な動きを示すことがわかる。大阪市や京都市は 3,000 ドル/㎡前後と 09 年当時の水準まで低下し、海外からみた割安感は大きく、日本の不動産に対する魅力度が増している様子がうかがえる。

  

2014.09.01 京阪神間の賃貸住宅利回り

  

京阪神各市の区別の利回りについてレインズデータに基づき築年別や部屋タイプ別に算出してみると、築 10 年以下で利回りが近畿圏平均を上回るのは大阪市で 7 区、京都市が 2 区、神戸市が 6 区と相対的に神戸市の利回りが高いことがわかる。他の築年帯も同様で、近畿圏平均を上回るのは築 1120 年で大阪市が 5区、京都市が2 区、神戸市は 6 区、築 2130 年では大阪市が 5 区、京都市が2 区、神戸市は 6 区、築 31 年以上では大阪市が 1 区、京都市が 4 区、神戸市が8 区となっている。神戸市は他 2 市と比べて賃料水準は大差ないものの、中古マンション単価が安価なことがこうした結果につながっている。また、部屋タイプ別にみると、ワンルームで利回りが近畿圏平均を上回るのは大阪市が 8 区、京都市が 5 区、神戸市は 1区で都心周辺区が比較的多い。1K1LDK で近畿圏平均を上回るのは、大阪市が14 区、神戸市が 7 区、京都市が 4区と大阪市内の利回りの高さが目立つ。一方、2K2LDK は大阪市が 5 区、神戸市が 3 区、京都市が1 区、3K3LDK は大阪市が 5 区、神戸市が 3 区、京都市が 2 区と、総じて利回りは低い。1 部屋タイプは賃料単価が高く利回りは大きくなる傾向にあるが、2 部屋以上の間取りでは収益性を意識せず購入される自己居住用の物件も多く、相対的に売買価格が高いことがこうし結果につながっている。

 

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